参加者の声
当基金の渡航に参加された方々の感想文を掲載しております。
渡航を考えていらっしゃる方、また実際に渡航して何をしているかを知りたい方などぜひご一読ください。
2019年3月 スリランカ渡航
M. W. さん
私は将来、医療における海外支援に携わりたいと思い今回参加させていただきました。私の最も印象に残っている光景が3つあります。1つ目は、車の窓を開け風景を撮影していた先生に小学校低学年かと思われる児童が「スリランカ、マネー、スリランカ、マネー」と言い、手を伸ばしていたものです。悲しいとか、可哀そうとかそういう感情を持つことはなく、ただ、これがこの土地の現実なのかと私は見ていることしか出来ませんでした。2つ目は、奨学金が小学校6年次で終わることを知った奨学生の親御さんが泣かれていたものです。私は何ともいえない違和感を持ちました。3つ目は、日曜学校見学後に子供たちに1人に1つずつチョコレートを配り、少し残っていたチョコレートをお婆さんが3つ必要だと言いチョコレートを貰っていった光景です。とても複雑な気持ちになりました。
奨学金を授与した小学校では、綺麗な靴を履いている子と、つま先が裂けている靴を履いている子がいました。手足がとても細い子もいれば、ふくよかな子もいました。とても立派で、空調が整っているお家もあれば、土壁で電気があれど薄暗いお家もありました。裕福な方もいらっしゃいますし、道端で物乞いをされている方もいらっしゃいました。私は日本で私にとっては不自由の無い平凡な生活を送っている為、日本における差はきっと当たり前に、当然のようにどうしようもないことだと捉えてしまいます。私には何も出来ないと諦めるのです。ですが、スリランカは私にとって非日常的な世界であり、異国、異文化に触れることで違いに敏感となり、差を感じたのではないかと考えます。
今回同行させていただいて、子供は希望だと思いました。教育は画一的に行うのではなく、土地土地に合った健康的かつ文化的に生きていくうえで必要な知識と、その子が持つ好奇心を育てる教育が必要なのではないかと考えます。無垢な子供に罪は無く、可能性を大人の金銭的な事情で潰してはならないと思います。スリランカで会った子供たちは好奇心に溢れ、とても綺麗な目をしており、この子達はこの先どのような人生を歩んでいくのだろうと思いました。
他の国に行くという事は、自分の国を知り、自分の考え方を見つめ直すことができる行為だと感じました。私は同行させていただいたことで、支援とは提供するのみのことではなく、教え、導き、自らも学ばせていただくことなのではないかと感じました。自分の目で見て、感じることは本当に貴重で素晴らしい経験だと思います。スリランカは素敵な国でした。気さくに英語で話しかけてくれた店員の方や、笑顔で私たちに興味を持ってくれた小学校の子供達。行ってみなければ、感じられないことが沢山あると学びました。
私はいつか、医療における支援を世界において行いたいと強く思いました。
2019年3月 スリランカ渡航
金城学院大学2年 S.N.さん
私が今回参加させていただいた経緯は、以前から支援の事を教えていただいていて、自分自身の目でスリランカの今の現状を見ること、そして今の自分には何か助けになることができるのかを学びたいと考え、参加させていただきました。
現地での1週間の生活で感銘を受けたことは、1つ目はお手洗いが日本と全く違うこと、2つ目は道路整備、そして最後は仏教がとても熱心ということです。改めて日本の技術は素晴らしいと思った反面、これをスリランカの人々に発信する為には今後どのような工夫が必要か。と考えさせられました。仏教が熱心な為、お寺は想像以上に豪華でとても驚いたことを覚えています。また、この1週間で私はスリランカの紅茶をいつでも飲みたいと思うほど気に入りました。
次に、スリランカで心が温まったエピソードとして、子供達の笑顔が太陽のように眩しかったということです。純粋な心を持っていて、日本の文化を熱心に学ぼうとする子供達がとても愛らしく思えました。別れ際は何だか寂しくなるほど、子供達と仲良くなることが出来ました。
私は、美由紀先生を尊敬しています。スリランカの人々の笑顔を見ること。それが活動への源となるとおっしゃっていました。美由紀先生はとても優しく、相手のことを思い、そして行動に移すことのできる尊敬している先生です。ここまで大規模な支援は、普通の人ではなかなか出来ることではないのです。私は、今回の旅でこのように人のために活動、行動できる女性はかっこ良いと強く感じました。
最後に、私は今回の支援を通して1週間と短い期間ですか、スリランカの素晴らしい景色、伝統、自然、そして人々に触れ合うことが出来ました。また、日本を離れ、日本の素晴らしいところも多く実感することが出来ました。
今後も何か支援に繋がることがあれば私も力になりたいと考えています。また、今回参加させていただいたことをとても光栄に思います。大変良い経験、良い勉強となりました。
2019年3月 スリランカ渡航
南山大学2年 M.T. さん
「日本円で約5000円。そのお金があれば一年学校に通える。」私がスリランカの教育について最初に知ったのはこのことでした。
私がスリランカ支援を知ったのは高校2年生の時でした。高校の学年企画でスリランカの教育支援をするというものです。この企画は各クラスのリーダー達が中心となってスリランカの子供達が十分な教育を受けられるようにと、主に校内での募金活動を行っていました。実際に現地に行けるということを知ったのは大学1年生の時でした。中学生の時から、将来は教師になろうと考えていた私はこのスリランカプロジェクトに興味を持ちました。スリランカの学校はどのような雰囲気なのか、どのような教育が行われているのか、どんな生徒がいるのか、また現在は大学で世界の文化について学んでいるため日本との文化の違いを本や資料だけでなく、自分の肌で感じてみたいと思い今回このスリランカプロジェクトに参加することにしました。
スリランカ到着後、1日目はガイドさんのお宅でホームステイでした。スリランカは高温多湿なので家の造りは日本とは違う、風通しの良い作りになっていました。ご飯はホームステイなのでホテルでは味わえない家庭の味をご馳走して頂きました。とても美味しかったです。ですがカレーはとても辛かったです。私が辛いものが苦手ということもあるのですが、辛かったです。ガイドさんによると、1番マイルドな味だったそうです。
2日目からは現地の学校に行くための準備が始まりました。最初に文房具屋に行き子どもたちに渡すノートや地図帳、英語の辞書など勉強に必要な道具を揃えていきます。他にも学校に行くためのリュックサック、制服の布などを買い揃えます。スリランカでは母親が子どもの制服を手作りするそうです。現地の2つの学校合わせて24人を支援しているので24人分の買い出しは量が多く、相当なものでした。買い出しが終わったらそれらを支援年数別にセットを作っていきます。支援1年目の子どもにはリュックやノート、文具などと言った感じです。日本で寄付して頂いたボールペンや鉛筆などのセットも作りました。なるべくたくさんの子どもを支援できるように1人につき5年と決め支援をしています。また、支援している学校で日本の文化について知ってもらおうと、日本の季節や、料理、スポーツなどを紹介できるようボードにそれぞれ英語で説明してある資料を貼り、当日に備えました。
学校訪問の当日の朝は早く、たくさんの子どもたちがそれぞれの学校に登校している様子を見ることができました。お母さんと手を繋ぎ歩く小さな子どもやトゥクトゥクで登校する子ども、学校近くの横断歩道で警官と交通整理をする学生など、日本とは少し違う登校風景に驚きましたが、友達と楽しそうに話す姿はどこの国でも変わらないのなだと感じました。現地の学校2校とも、とても歓迎して頂き、現地に行ったのが初めてだった私はとても驚きました。これまで行ってきた支援が感謝されているんだなと感じることができました。1校目ではスリランカの貧しい子どもたちの現状をビデオで紹介してくださいました。このビデオだけでスリランカの子どもたちの貧しさ、もちろんスリランカにも恵まれた子どもはいると思いますが、日本ほどそのような子どもたちが多くないということを実感しました。ひらがなや、漢字でサインを求められることがたくさんありました。大阪万博の際、日本人が外国人にサインを求めたのと同じような感覚だったとは思いますが、日本のことに興味を持ってもらえたと思い嬉しい気持ちになりました。2校目では日本の学校でレクリエーションの際によくやるハンカチ落としで交流しました。スリランカでは無い遊びにとても盛り上がりました。
日本の文化を紹介した際は2校とも本当に興味を持って聞いてもらい、嬉しい気持ちになりました。スリランカでは「おしん」が有名だそうです。
奨学金の授与式の際は2校とも本当に優秀な生徒が多く、将来の夢のためにたくさん勉強がしたい、勉強が好きだという気持ちが伝わってきました。私たちは恵まれた環境にいるので勉強ができないということはありませんが、スリランカでは自給自足で現金収入が無い家庭もあるため勉強したくても学校に行けない子どもが多くいるそうです。実際に1人の生徒の家庭訪問をさせて頂きました。その子はとても優秀なのですが、その子の家庭は自給自足で現金収入がほとんどないそうです。私は今回現地に行くのは初めてだったのですが、そのような子どもたちに少しでも学ぶための手伝いができたこと、本当に嬉しく思います。
現地の文化や人々に触れ、日本にいたら学べない、感じられないような貴重な経験、私の財産となりました。今回スリランカに行くことができて本当に嬉しく思うと共に、この経験をこれからに生かしたいと思います。未熟で無知な私を今回、参加者として迎え入れてくださった全ての関係者の方に感謝いたします。
最後に、今回スリランカでのテロに巻き込まれた全ての方にご冥福をお祈りいたします。